2008年3月10日月曜日

生物と無生物のあいだ

生命とは何か?という問いかけに対する「生物学的な」一つの答えが
とても分かりやすく語られている。
その語り口は、結構リリカルなんだけど、語っている中身は
どこまでも「生物学的」。無論、そこが、この本の信用できるところでもあり、
一方で、そこが、この本の限界でもある。
つまり、この本は、生命とは何か?という問に対する
哲学的な回答を求める人向けの本ではない。
でも哲学的に思考するにしても、正しく考えるためには、
この本に書かれているような科学的な知識はないよりあった方がいい気はする。
で、そんなある種崇高な生命論の一方で、
生身の研究者の俗っぽい話も随所にちりばめられていて、
そっちも読み物としては結構楽しめる。盛りだくさんのお買い得な新書だった。

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