2008年8月25日月曜日

合掌

 高校の野球部の同期だったIの中学3年生の息子が亡くなるという
ショックな出来事があった。肝臓癌だったそうだ。
 うちの息子は中学1年だが、息子を病気で失うくらいなら、
自分が死んだ方がましだと思う。
 Iや奥さん、ご親族の方々の心の痛みを思うと言葉を失くすばかりだ。
 昨日お通夜に行って来た。
 Iと直接言葉はかわせなかったが、
いつもは気の強さを身体中から発散させているようなIが
深い悲しみですっかり憔悴しきっている様子は
少し離れた焼香台のところからでも見て取れた。
 合掌。ご子息のご冥福を祈ります。

2008年8月19日火曜日

サブプライム問題とは何か


サブプライム・ローンが低所得者向けローンで
それが破綻をきたして、アメリカ経済、ひいては
世界経済に悪影響を与えているらしい、ということくらいまでは、
おぼろげに認知していたが、
サブプライム問題が、
略奪的貸付を内部システム的には
自ら制止することができなかった
アメリカ型資本主義の
まさにダークサイドの表出であるという
事の本質がよく分かった。
自分も住宅ローンを抱えていて、
自宅の土地家屋には当然のごとく抵当権が設定されているわけだが、
ローンを組むときは、そのことの意味もよくわかっていなかった気がするし、
誰も説明してくれはしなかった。
マイホームが競売にかけられてもとの木阿弥どころか、借金だけが残ってしまった
多くの低所得者層の人たちのことを考えると他人事ではあっても心が痛む。
そこには必ずしも自己責任という言葉だけで、
すべてを片付けてしまうべきではない問題が存在するように思う。

妻の誕生日

今日は妻の40歳の誕生日。
初めてあったときは、20歳
つきあい始めたときは、21歳
結婚したときは、24歳
長男が生まれたときは、27歳だったのだよね。

人生、いろいろうまくいかないこともあるが、
少なくとも、家族に関しては、ほんとうに恵まれている。

昨日、夏休みの旅行帰りに寄った御殿場のアウトレットで、
これからもよろしくお願いします。
という気持ちをこめて、
プラダのバッグを購入した。
アウトレット品で、しかもお袋に半分出してもらった
ところが、僕の甲斐性の限界だったのだが、
ほんとうに、これからもよろしくお願いしたいと思っている。

2008年8月15日金曜日

ダークナイト

 昨晩は、仕事後、有楽町で、
中一の長男と二人で
「ダークナイト」を観た。
 自分的にはかなり面白かったのだが、
人間の感情のダークサイドが描かれている
部分も多いだけに、
中一の息子はどう感じているんだろう
と、いうのが観ている間も気になってしまい、
その分がちょっとマイナス要因として働いてしまった。
「面白かったよ。」と言っていたので、杞憂だった
かもしれないが…。
 ちなみにダークナイトのナイトはnight(夜)ではなくて
Knight(騎士)だったのだ。
 僕は観る前までてっきり真っ暗闇の話だと思っていた。
 ちがうのだ。「暗黒の騎士」という意味のタイトルだったのだ。 
 で、「ダークナイト」は、かなり面白かったが、
しかし、20年ほど前に観た
ティム・バートン監督の「バットマン」は、
自分の中では超えなかったな、というのも正直なところだった。
 まあ、それは絶対的な評価の差というよりは、
こっちの感性の問題かもしれないとも思えなくもないが…。
 映画の醍醐味は、文章とか動かない写真や絵では
どうしても体感することができない感情を
体感できるところにあると思っている。
そういう意味で
20年前の「バットマン」は僕にとって最高だった。
それに比べると「ダークナイト」は、いい線いってたよってところかな。
でもかなりいい線はほんとにいってると思う。
好き嫌いはあるかもしれないけどね。僕は好き。 以上。

2008年8月12日火曜日

ひゃくはち(映画)

会社帰りに川崎まで足を伸ばして、
映画「ひゃくはち」を観た。

25年前、自分も補欠だった、おじさんは、泣いたぜ。

きれいごとばかりじゃないところがいい。
補欠の気持ちなんてレギュラーにはわかんねーだろーってところがいい。
でも、補欠であっても、補欠なりのプライドがあって、
理屈じゃなくて、気持ちで頑張るところがいい。

いい映画だった。

2008年8月1日金曜日

ひゃくはち



「ひゃくはち」。108は除夜の鐘の数で人間の煩悩の数とされている。
そして、野球の硬球の縫い目の数も同じ108個なのだ。
野球のボールが生まれたのはもちろんアメリカであるから、
この数字の符合は偶然の一致ということになる。
本作では、108の煩悩をも抱えつつ真摯に生きている
若者たちの姿が活写されていて痛快である。

実は、この小説の作者は、僕の高校の野球部の後輩に当たる人なのだ。
個人的に面識はないが、或意味では身内のようなものでもある。
身内の贔屓目と楽屋落ち的な部分でポイント稼いでいる部分も
多少はあるやも知れぬが、本作がデビュー作となる彼の
この野球小説はほんとに傑作であると思う。
一気呵成に読みきって、高校のときの友達と
久しぶりにゆっくり語りあったような読後感を得ることが出来た。

一つ一つのエピソードは作者の経験をベースにしつつも
虚構の世界を構築するための創作的誇張がなされているけど、
そのベースにある高校球児の心情については、
かってないほどにといえるほど
極めてリアルかつリリカルに描かれている。
映画化もされるそうなので、映画も見に行こうと思う。
いやあ、早見君、楽しい小説をありがとう。